2010年2月18日木曜日

雪の便りを感じて

都心で雪が降った。
今年の雪はそれほどつもらないにしろ、
回数としてはここ数年なかったほど多い

雪を見ると中谷宇吉郎さんを必ず思い出してしまう。
北海道大学教授で、世界で始めて人工の雪の結晶を作った方だ。

雪の結晶は六角形の不思議な形をしている。
それは気温や湿度によって様々に変化する。
降ってきた雪の形で上空の様子がすべて分かってしまう。
中谷さんはそれを「雪は天からの贈り物」と題した。
物理学者だが詩人だ。

彼は、寺田寅彦先生に師事している。
寺田寅彦先生と言えば、夏目漱石先生の門下生で
「我が輩は猫である」の水月君のモデルとなった方だ。
寺田先生も物理学者でありながら相当な詩人だ。

物理学者と言われると寡黙でずっと実験をしているか計算をしているイメージがある。
実際そうなのだろうが、考えていることはとてもウィットに飛んでいる。
二人のエッセイを見れば、
物理が苦手でも、とても楽しく読むことが出来る。
寺田先生であれば、満員電車での一考察
中谷先生であれば、立春の玉子
などとても面白い。
ぜひ一読あれ。



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